1. HOME
  2. ブログ
  3. コラム
  4. 会社設立
  5. 事業目的の効果的な書き方: 業種別の具体例とポイントを解説します

BLOG

ブログ

会社設立

事業目的の効果的な書き方: 業種別の具体例とポイントを解説します

定款の絶対的記載事項のひとつに「事業目的」があります。一番初めの「商号」に次いで登場する非常に重要な項目です。

ここでは、定款作成の重要ポイントとなる事業目的について、概要や作成のポイント、具体的な事業目的の例などをご紹介しています。

定款に記載が必要な「事業目的」とは?

事業目的とは、会社設立の際に作成する定款の絶対的記載事項のひとつです。会社が何を目的に事業を行うのかを明確にした項目が事業目的です。

定款の記載事項には絶対的・相対的・任意的の3種類がありますが、法律の定めにより、絶対的記載事項は漏れなく記載しなければなりません。

絶対的記載事項には複数の項目がありますが、事業目的は、それらの中でも特に重要とされる項目のひとつです。

ちなみに取引先や金融機関は、その会社と取引を行うかどうかの判断基準として、初めに事業目的をチェックすると言われています。会社の永続的な発展のためには、外部から信頼されるようしっかりと事業目的を検討することが大切です。

事業目的を作成する際のポイント

事業目的を策定する際の6つのポイントを確認してみましょう。

3つの原則を遵守する

事業目的の策定に際しては、次の3つの原則を遵守することが求められています。

1. 適法性

法に反しない事業目的であることが求められます。例えば、事業目的を「麻薬の輸入」などにはできません。

2. 営利性

利益を上げる事業目的であることが求められます。例えば、事業目的を「無償のボランティア活動」などにはできません。

3. 明確性

誰が見ても明確に理解できる事業目的であることが求められます。例えば、事業目的を「営利活動全般」などにはできません。

許認可が必要な事業は必ず記載する

許認可が必要な事業を行う場合、必ず事業目的に記載しなければ許認可を受けられません。
例えば建設業や旅行業、不動産業、有料職業紹介事業などを行う予定の場合には、必ず事業目的に含めるようにしましょう。

同業他社の事業目的も参考にする

全国のどこの法務局でも、実在する会社の登記事項証明書を確認できるため、同業他社の事業目的を参考にしてみても良いでしょう。

事業目的の表現は自由ですので、同業他社の事業目的を参考にしながら、自社らしいオリジナリティある表現を考えてみてはいかがでしょうか。

将来的に行う可能性のある事業目的も記載しておく

事業目的として記載した内容を「すぐに、必ず」行う必要はありません。将来的に行う可能性のある事業があれば、それも事業目的として記載しておくと良いでしょう。

ただし、現実的に行う可能性の低い事業まで織り込んでしまうと、かえって取引先から信頼されない恐れもあるので、事業目的の幅を広げすぎるのも考えものです。

最後に「前各号に付帯関連する一切の事業」という文言を入れる

事業目的を列挙したら、最後に「前各号に付帯関連する一切の事業」という文言を入れておきましょう。
この文言を入れることにより、関連する周辺事業も行えるようになります。

【業種別】事業目的の具体例

具体的な事業目的の記載例を業種別で見てみましょう。

メイン事業が不動産業の場合

  • 不動産の管理及び賃貸借に係る業務
  • 不動産の管理、売買、賃貸及び仲介事業
  • 不動産の売買、仲介、賃貸、管理業務
  • 不動産の賃貸及び運営
  • 不動産の管理及び鑑定並びに不動産コンサルティング
  • 宅地建物取引業及び不動産の管理、など

メイン事業が卸売業・小売業の場合

  • 店頭及びインターネットなどを通じた商品及びサービスなど卸売及び販売
  • インターネットなどを利用した通信販売業及び卸売業並びに小売業
  • 食料品及び飲料品の卸売・小売業
  • 化粧品・化粧用調整品の販売・卸売業
  • 薬局の経営並びに医薬品の販売・卸売業
  • 酒類の販売・卸売業、など

メイン事業が宿泊業・飲食サービス業の場合

  • ホテルその他の宿泊施設、飲食店、文化施設などの経営
  • ホテル及び宿泊・料飲施設などの経営、運営、業務の受託
  • 飲食店・宿泊施設・売店などの運営・管理
  • 宿泊施設、カラオケルーム、駐車場の経営
  • スポーツ施設、観光施設、宿泊施設の経営、管理
  • 教育施設・飲食店・宿泊施設・売店などの運営・管理

メイン事業が生活関連サービス業の場合

  • ネイルサロン、美容院など美容サービス業に関する店舗の経営
  • 音楽教室の企画、運営並びに管理
  • 美容院、理容院など美容サービス業のフランチャイズシステムの運営
  • 結婚相談及び仲介業
  • 冠婚葬祭に関する情報の提供及び仲介斡旋
  • 音楽、ゲーム、映画、演劇その他各種催事の企画、製作、興行、など

メイン事業がIT・通信事業の場合

  • ホームページの企画、制作及び運営
  • ホームページの運用及び保守に関する業務
  • インターネット及び情報システムを利用したサービス業務
  • インターネットの代金決済システムの導入代行業
  • インターネットメディア事業
  • インターネットを利用した電子商取引事業、など

【まとめ】事業目的は自社の第一印象を左右しかねない大事な項目

事業目的の概要や作成する際のポイント、具体的な事業目的の例などをご紹介しました。

一般的に事業目的を目にすることは多くありませんが、許認可を申請する際やBtoBビジネスの新規開拓をする際、銀行融資を申し込む際など、会社の重要なタイミングにおいて他人の目に事業目的が触れることもあります。

事業目的は、自社の第一印象を左右しかねない大事な項目ですので、専門家の助言を仰ぐなどして慎重に内容を検討していきましょう。

関連記事